日々の業務が分刻みで進む急性期や一般病棟において、「もっと最期の時間にゆっくり寄り添いたかった」「業務に追われて、患者さんの本当の思いを聞き出せなかった」というジレンマを抱えた経験はありませんか?
「病気を治すこと(キュア)」を最大の目的とする環境では、どうしても日々の検査、処置、点滴の更新といったタスクが優先され、終末期を迎えた方への精神的なケアやご家族へのフォローが後回しになりがちです。これは決してスタッフの怠慢ではなく、システムの構造上生じてしまう避けられない葛藤です。

もしそのジレンマに強い違和感や申し訳なさを抱いているのであれば、「治療」から「看取り(ケア)」へと軸足を移す働き方も、今後のキャリアの大きな選択肢の一つになります。
例えば、ホスピスや緩和ケア病棟、あるいは在宅医療の現場では、業務の優先順位が全く異なります。そこでは、延命を目的とした医療処置よりも、身体的な苦痛をいかに取り除くか、そして残された時間をいかにその人らしく穏やかに過ごしてもらうかに最大限の時間が割かれます。

朝の検温の代わりに、その日の痛みの具合をじっくりと聞き取る。お気に入りの音楽を流す、ご家族と思い出を語り合う時間を設ける、あるいは好きなものを一口だけ味わってもらうための工夫を凝らす。そうした「命の質(QOL)」を豊かにするためのケアが主役となる環境です。

もちろん、死と日常的に直面する職場であるため、ご家族の深い悲しみを受け止める高度な感情労働が求められ、時には無力感に苛まれることもあるでしょう。しかし、その分「その人の人生の集大成に立ち会い、穏やかな最期を支えきった」という、他では得られない深いやりがいを感じることができます。
今の環境でできることをやり尽くしたと感じた時こそ、自分自身のケア観を根本から見つめ直す絶好のタイミングかもしれません。後悔のないキャリアを選ぶためにも、現場のリアルな情報や働き方のヒントがまとめられた情報サイトを活用し、自分に合った次の一歩を探してみてください。